
ふと立ち止まって周りを見渡してみると、私たちの生活がいかにプラスチックであふれているかに気づき驚かされます。もしプラスチックがこの世から消えてしまったら、我々の生活はとても不便になってしまうでしょう。そのくらい私たちはいま、暮らしのあらゆる場面でプラスチックに頼っています。
不便のない恵まれた環境にいると、その便利さと引き換えに地球で起きている異変に気付けていなかったり他人ごととして見過ごしている人も多いでしょう。この記事では日々の暮らしの中から少しずつプラスチックを減らすヒント、そしてそれが何故いま必要なのかをお伝えします。
コンテンツ
いま地球で何が起きているのか?
ビデオは日本語字幕がOnにできるので、是非見てみてね!
現在、毎年3億3千万トン以上のプラスチックが世界中で作られていて、プラスチック生産量は2050年までに3倍になると予想されています。非営利の環境保護団体:Ocean Conservancyによると、毎年約800万トンものプラスチックが海に流れているそうです。環境汚染はもちろん、海鳥やカメといった動物の生態系をも脅かしています。
海鳥の60%以上・ウミガメは100%の確率でプラスチックの誤飲が死後に確認されているそうです。 ビデオ内でも紹介されているように動物がプラスチックを摂取すると、体力低下・栄養摂食障害によって生命を脅かす危険性があります。
人間もプラスチックを食べている?
実は我々も毎週クレジットカードサイズ=約5gほどのマイクロ・プラスチックを、水や魚介類などの食べ物を通して摂取している可能性があるというのです。最近ニュースで話題になったのでご存知の方も多いかもしれませんね。(*1)知らず知らずのうちにこうやってプラスチックが体内に溜まっていけば、様々な健康被害が生じるでしょう。私たちも海鳥の二の舞になりかねません。
プラスチックをリサイクルすることで問題は解決しない

実はプラスチックの40%以上が1度きりの利用で使い捨てされていることをご存知ですか? さらに捨てられたプラスチックの91%は、リサイクルされていないというから衝撃です。内訳を見てみると、12%は焼却され79%は自然や埋め立て地に捨てられて、多くは最終的に海へ流れ出しているそう。(*2)では何故、こんなにも多くのプラスチックがリサイクルされていないのでしょうか?(*3)
- 新しいプラスチックを作るコストの方がリサイクルするよりも安い
- リサイクルしたプラスチック製品では利益が上がらない=プラスチックリサイクル市場自体が成立しない
- あまりにも多くの種類のプラスチックが混在していてリサイクルしにくい
プラスチックは自然分解するのに、なんと400年以上かかるそうです。リサイクルの仕組みが成り立たないまま、このまま人間がプラスチックを大量に使い続けたら… プラスチックで地球があふれかえる未来も遠くないことが想像できます。
参照ソース
*1 CNN.com – You could be swallowing a credit card’s weight in plastic every week
*2 GreenMatters – 91% Of Plastic Is Never Recycled, According To New Study
*3 Sciencenorway – Why is so little plastic actually recycled?
5つのRで始める、プラスチック・フリーな暮らし
私は上で紹介したビデオを初めて見たとき、ショックで言葉が出ませんでした。そして自分の生活の中でできることから、少しずつプラスチックを減らしていく「プラスチック・フリー」な生活を2年ほど前から始めました。
私自身も完璧に自分の生活からプラスチックを排除できている訳ではありませんが、できることから努力をしています。Rから始まる5つの英単語を元に、プラスチック・フリーな暮らしを始めるためのヒントをステップ別に紹介します。

1.Refuse(断る)
まずはできるだけ、ストローやレジ袋といった使い捨てのプラスチック製品にNo!という習慣をつけましょう。
2.Reduce(減らす)
これ以上プラスチックの生産・消費が増えないように、プラスチック製品を生活の中から減らしましょう。
3.Reuse(再利用する)
既に生活で使用しているプラスチックは無理に排除することなく、再利用して大切に使い続けましょう。
4.Recycle(リサイクル)
リサイクルに出す時は、リサイクルがされやすいようにきちんと分別することはもちろん、ラベルを剥がすなど工夫をして責任を持って行いましょう。
5.Remind(喚起する)
プラスチックが与える悪影響を周りの人に話したり、情報共有をし合いましょう。一人ひとりの意識が高まることで、プラスチックの替わりになる商品の利用が増え、社会全体でプラスチックの利用を控える動きに繋がります。
たったひとつの地球をこれ以上汚さないために

日本ではバブルティーが大流行して、ゴミ箱がプラスチックのカップで溢れているのを最近Twitterで見かけました。また帰国する度に、コンビニレジ袋や過度な個別包装など日本の社会はまだまだプラスチック・フリーからは程遠いと感じます。
一人ひとりが小さなことからできることを見つけて、無理のない範囲でプラスチック・フリーな生活ができるようになればいいですね。すると、それがやがて習慣になり暮らしの中から少しずつプラスチックが減っていくと思います。
私が暮らしていたニューヨークでは、2020年3月からストローやレジ袋といった使い捨てのプラスチックの使用を市全体で禁止する法案が可決されました。ヨーロッパでは以前から既にこういった動きが国単位で進んでいます。こうやって個人の意識が高まれば、プラスチックを減らす運動が日本でも市や行政単位で進んでいく日も遠くありません。
この記事がプラスチックの消費について考えるキッカケに繋がるといいな!
具体的に私がどうやってプラスチック・フリーな生活を実践しているかは、また別の記事で紹介するので楽しみにしていてください。
Thank you for reading!